手取りのしくみ(かんたん解説)
手取りは、額面の年収から社会保険料と税金を引いた、実際に口座に振り込まれる額です。会社員の場合、引かれるのは次の5つで、合計すると年収の2割前後になります。
| 引かれるもの | だいたいの額 | 決まり方 |
|---|---|---|
| 健康保険料(40歳から介護保険料も) | 給与の約5%(40歳から約5.7%) | 毎月の給与の「標準報酬月額」×料率の半分 |
| 子ども・子育て支援金 | 給与の約0.115% | 2026年4月分から。健康保険料と一緒に引かれます |
| 厚生年金保険料 | 給与の9.15% | 標準報酬月額×18.3%の半分(月65万円で頭打ち) |
| 雇用保険料 | 給与の0.5%(建設・農林水産などは0.6%) | 実際の給与×料率(2026年4月から) |
| 所得税・住民税 | 年収により数%〜 | 年収から控除を引いた額に税率をかけます |
健康保険・厚生年金の保険料は、会社と本人が半分ずつ払います(上の%は本人が払う分)。住民税は去年の収入で決まり、6月から1年間引かれます。
年収別の手取り早見表(2026年)
| 年収 | 手取り(年) | 毎月の手取り | 割合 |
|---|---|---|---|
| 200万円 | 約164.5万円 | 約13.7万円 | 82% |
| 300万円 | 約239.9万円 | 約20.0万円 | 80% |
| 400万円 | 約316.8万円 | 約26.4万円 | 79% |
| 500万円 | 約394.2万円 | 約32.8万円 | 79% |
| 600万円 | 約466.2万円 | 約38.8万円 | 78% |
| 700万円 | 約530.8万円 | 約44.2万円 | 76% |
| 800万円 | 約594.7万円 | 約49.5万円 | 74% |
| 1,000万円 | 約727.4万円 | 約60.6万円 | 73% |
独身・39歳以下・東京(協会けんぽ)・ボーナスなし(年収を12か月で割った給与)として計算。金額は計算機と同じく1,000円未満を切り捨て。毎月の手取りは、住民税を月割りにした6月以外の月の額です。40〜64歳は介護保険料のぶん、年収500万円で年約3万円少なくなります。配偶者(年収136万円以下)と16歳以上の子1人を扶養している人は、年収500万円で年約11万円多くなります。
計算のしかた
① 社会保険料 = 標準報酬月額 ×(健康保険+支援金+厚生年金の料率)÷2 ×12か月 + 給与×雇用保険料率
② 所得税 ={(年収 − 給与所得控除 − 社会保険料 − 基礎控除など)× 税率 − 速算表の控除額}× 1.021
③ 住民税 =(年収 − 給与所得控除 − 社会保険料 − 基礎控除43万円など)× 10% − 調整控除 + 5,000円
※税金のかかる所得は1,000円未満、所得税は100円未満を切り捨て。所得税の基礎控除は2026年分から最大104万円です。
たとえば東京で働く独身・39歳以下・年収500万円(ボーナスなし)の場合、毎月の給与は約41.7万円で、標準報酬月額は41万円です。
- 社会保険料:健康保険20,193円+支援金471円+厚生年金37,515円+雇用保険2,083円=月60,262円、年723,144円
- 所得税:給与所得356万円−社会保険料723,144円−基礎控除104万円=179万6,000円。×5%×1.021=91,600円
- 住民税:356万円−723,144円−43万円=240万6,000円。×10%−調整控除2,500円+均等割など5,000円=243,100円
手取りは 500万円 − 723,144円 − 91,600円 − 243,100円 = 394万2,156円(額面の約79%、毎月の手取りは約32.8万円)になります。
手取りが変わる主なケース
- 40歳になると:介護保険料(1.62%の半分)が加わり、手取りが少し減ります。
- ボーナスが多いと:同じ年収でも、毎月の給与が少ないぶん標準報酬月額が下がり、社会保険料が変わります。厚生年金はボーナス1回150万円、健康保険は年度で573万円が上限です。
- 家族を扶養していると:配偶者控除・扶養控除で所得税と住民税が安くなります。16歳未満の子は控除がありません(児童手当の対象です)。
- 新社会人の1年目:住民税は去年の収入で決まるため、1年目はほとんどかかりません。2年目の6月から住民税が引かれ始め、手取りが減ります。
よくある質問
手取りは年収の何割くらいですか?
会社員なら、年収300〜500万円でおよそ8割、700万円で約76%、1,000万円で約73%です。年収が上がるほど所得税の税率が上がるため、割合は下がっていきます。40歳以上は介護保険料のぶん、少し下がります。
年収500万円の手取りはいくらですか?
独身・39歳以下・東京・ボーナスなしの場合、手取りは年約394.2万円、毎月約32.8万円です。社会保険料が約72万円、所得税が約9万円、住民税が約24万円引かれます。ボーナスがある人や40歳以上の人、家族を扶養している人は、上の計算機で条件を変えて確かめてください。
2026年から手取りは変わりましたか?
増える方向と減る方向の両方があります。所得税の基礎控除が最大104万円に、給与所得控除の最低額が74万円に上がり、所得税が少し下がりました(2026年分から。年末調整で反映)。雇用保険料は4月から0.55%→0.5%に下がりました。一方で、4月分から「子ども・子育て支援金」(給与の約0.115%)が健康保険料と一緒に引かれ始め、介護保険料も1.59%→1.62%に上がっています。健康保険料率も3月分から都道府県ごとに変わりました(東京は9.91%→9.85%)。
ボーナスの手取りはどれくらいですか?
ボーナスからは、健康保険料・支援金・厚生年金・雇用保険料と所得税が引かれます(住民税は引かれません)。社会保険料はボーナスの約15%(40〜64歳は約15.5%)で、所得税は前の月の給与によって決まる率がかかります。このツールでは、1年分の所得税をボーナスと毎月に割り振った目安を出しています。
毎月の手取りが計算と違うのはなぜですか?
毎月引かれる所得税は「源泉徴収税額表」で決まる仮の額で、12月の年末調整で1年分を精算します。また、社会保険料は4〜6月の給与の平均で決まる標準報酬月額で計算するため、残業が多い月・少ない月で手取りが変わります。住民税は去年の収入で決まるので、年収が去年から変わった人も差が出ます。
健康保険組合(健保組合)に入っている場合は?
このツールは協会けんぽの料率で計算しています。大企業などの健康保険組合は料率が低いことが多く、その場合、手取りはこの結果より少し多くなります。給与明細の健康保険料で確かめてください。公務員の共済組合も料率が違います。
出典
・全国健康保険協会(協会けんぽ)「令和8年度 都道府県単位保険料率」 kyoukaikenpo.or.jp
・全国健康保険協会「令和8年度の保険料率・子ども・子育て支援金率」 kyoukaikenpo.or.jp
・日本年金機構「厚生年金保険料額表」「賞与にかかる保険料」 nenkin.go.jp
・日本年金機構「保険料の端数処理」 nenkin.go.jp
・厚生労働省(山形労働局)「令和8年度の雇用保険料率」 jsite.mhlw.go.jp
・財務省「令和8年度税制改正の大綱の概要」 mof.go.jp
・国税庁「No.1199 基礎控除」 nta.go.jp
・神戸市「令和9年度からの税制改正(個人市民税)」 city.kobe.lg.jp
基準:社会保険料は令和8年度(2026年4月〜)の料率、所得税は令和8年分、住民税は令和9年度(2026年の収入にかかる分) 最終確認:2026年11月7日
関連する計算ツール
- 社会保険料 計算シミュレーション(給与から引かれる社会保険料)
- 所得税 計算シミュレーション(1年分の所得税)
- 住民税 計算シミュレーション(住民税の年額と毎月の天引き)
- 医療費控除 計算シミュレーション(確定申告で戻る税金)
- iDeCo シミュレーション(積み立ての節税額)
- 失業保険 計算シミュレーション(辞めたあとにもらえるお金)
- 傷病手当金 計算シミュレーション(病気で休んだ間の収入)
※このシミュレーションの結果は目安です。実際の手取りは、勤め先の給与計算と、年末調整・市区町村の住民税の決定で決まります。個別の判断は、勤め先の担当者や税理士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。
※計算に入れていないこと:健康保険組合・共済組合の料率(協会けんぽの料率で計算)/毎月の給与は「(年収−ボーナス)÷12」が1年中同じとして計算(残業・昇給・4〜6月の給与による標準報酬月額の変動、1〜3月の旧料率(雇用保険0.55%・介護保険1.59%・支援金なし)、年度の途中で40歳・65歳・70歳になる人の月割りは反映していません)/ボーナスは年2回・同額/毎月とボーナスの所得税は、1年分を割り振った目安(源泉徴収税額表の額・年末調整の過不足は計算しません)/住民税は去年も同じ年収だったとして計算(新社会人の1年目・転職などで年収が変わった人は違います)、標準税率・1級地・100円未満の切り捨ては市区町村分と都道府県分の合計で行う(練馬区の計算例に合わせた。別々に切り捨てる市区町村では100円少なくなります)(神奈川県の上乗せ・名古屋市の減税・各地の均等割の上乗せは入れていません)/生命保険料控除・地震保険料控除・医療費控除・ふるさと納税・住宅ローン控除など/所得金額調整控除(年収850万円超で23歳未満の子などがいる人)/特定親族特別控除・障害者控除・寡婦控除・ひとり親控除・勤労学生控除/70歳以上の扶養家族・配偶者の加算(一般の扶養として計算)/65歳以上の介護保険料(年金から引かれるため)/75歳以上の人・通勤手当・副業や年金などほかの収入/社会保険に入っていない人の国民健康保険料・国民年金保険料/介護保険料の内訳は健康保険料との比で分けた概算。