相続税のしくみ(かんたん解説)
相続税は、亡くなった方の財産を受け取った人にかかる税金です。遺産が「基礎控除」(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以下なら、税金はかからず申告も原則いりません。基礎控除を超えた分に、10%〜55%の税率がかかります。
税金の合計は「法律の目安どおり(法定相続分)に分けたら」という仮定で一度決まり、それを実際に受け取った割合で分けて、1人ずつの税額になります。配偶者は1億6,000万円か法定相続分の多い方まで税金がかからない軽減があるため、配偶者の分はゼロになることが多くなります。
| 家族の構成 | 法定相続分(法律の目安) |
|---|---|
| 配偶者と子ども | 配偶者1/2・子ども1/2を人数で均等 |
| 配偶者と親 | 配偶者2/3・親1/3を人数で均等 |
| 配偶者と兄弟姉妹 | 配偶者3/4・兄弟姉妹1/4を人数で均等 |
| 配偶者がいない | 子ども→親→兄弟姉妹の順で、先の順位の人だけが均等 |
基礎控除額の早見表(これ以下なら相続税はかかりません)
| 法定相続人の数 | 基礎控除額 | 例 |
|---|---|---|
| 1人 | 3,600万円 | 子ども1人 |
| 2人 | 4,200万円 | 配偶者と子ども1人 |
| 3人 | 4,800万円 | 配偶者と子ども2人 |
| 4人 | 5,400万円 | 配偶者と子ども3人 |
| 5人 | 6,000万円 | 配偶者と子ども4人 |
相続税の早見表(相続税の合計・単位:万円、0.1万円未満切り捨て)
| 遺産 | 配偶者と 子1人 | 配偶者と 子2人 | 配偶者と 子3人 |
|---|---|---|---|
| 5,000万円 | 40 | 10 | 0 |
| 8,000万円 | 235 | 175 | 137.4 |
| 1億円 | 385 | 315 | 262.4 |
| 1.5億円 | 920 | 747.5 | 664.9 |
| 2億円 | 1,670 | 1,350 | 1,217.4 |
| 3億円 | 3,460 | 2,860 | 2,539.9 |
| 5億円 | 7,605 | 6,555 | 5,962.4 |
| 遺産 | 子1人 | 子2人 | 子3人 |
|---|---|---|---|
| 5,000万円 | 160 | 80 | 19.9 |
| 8,000万円 | 680 | 470 | 329.9 |
| 1億円 | 1,220 | 770 | 629.9 |
| 1.5億円 | 2,860 | 1,840 | 1,440 |
| 2億円 | 4,860 | 3,340 | 2,459.9 |
| 3億円 | 9,180 | 6,920 | 5,460 |
| 5億円 | 19,000 | 15,210 | 12,979.9 |
上の表は配偶者あり、下の表は配偶者なし。配偶者ありは「法律の目安どおりに分け、配偶者の軽減を使った」場合、配偶者なしは子どもだけが相続した場合の、家族全体の相続税の合計です。生命保険金はなしとしています。
計算のしかた
② 課税遺産総額=①−基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)
③ ②を法定相続分で分けた金額(1,000円未満切り捨て)に、それぞれ下の表の税率をかけて合計=相続税の総額(100円未満切り捨て)
④ ③を実際に受け取った割合で分ける。兄弟姉妹などは2割を足し、配偶者は軽減を引いて、1人ずつの納める額(100円未満切り捨て)
| 法定相続分で分けた金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 1,000万円以下 | 10% | 0円 |
| 1,000万円超〜3,000万円 | 15% | 50万円 |
| 3,000万円超〜5,000万円 | 20% | 200万円 |
| 5,000万円超〜10,000万円 | 30% | 700万円 |
| 10,000万円超〜20,000万円 | 40% | 1,700万円 |
| 20,000万円超〜30,000万円 | 45% | 2,700万円 |
| 30,000万円超〜60,000万円 | 50% | 4,200万円 |
| 60,000万円超 | 55% | 7,200万円 |
たとえば遺産1億円を配偶者と子ども2人が法律の目安どおりに相続する場合、基礎控除は3,000万円+600万円×3人=4,800万円、課税遺産総額は1億円−4,800万円=5,200万円です。これを法定相続分で分けると配偶者2,600万円・子ども1,300万円ずつで、税額は2,600万円×15%−50万円=340万円、1,300万円×15%−50万円=145万円ずつ。相続税の総額は340万円+145万円×2=630万円です。配偶者の分(315万円)は軽減でゼロになり、子ども2人が157.5万円ずつ、合計315万円を納めます。
ケース別の注意
- 自宅の土地がある:配偶者や同居の子どもが自宅の土地を受け取ると、330㎡までの評価額が80%減る特例(小規模宅地等の特例)が使えることがあります。税金が大きく下がりますが、このツールでは計算に入れていません。使うには申告が必要です。
- 亡くなる前に贈与を受けていた:相続などで財産を受け取る人が、亡くなる前の一定期間(3年、2024年以降の贈与から段階的に7年まで延長)に受けた贈与は、遺産に足して計算します。令和8年(2026年)中に亡くなった場合は3年以内、令和9年〜12年に亡くなった場合は2024年1月1日以降の贈与が対象です。このツールでは入れていません。
- 兄弟姉妹・おい・めい・孫の養子など:配偶者・子ども・親以外が受け取ると、税額に2割が足されます(2割加算)。このツールは兄弟姉妹(おい・めいを含む)に反映しています。孫を養子にしている場合や、遺言で孫などが受け取る場合は入れていません。
- 18歳未満の子ども・障害のある方が相続する:未成年者控除(18歳までの年数×10万円)や障害者控除(85歳までの年数×10万円、特別障害者は20万円)で、その人の税額が減ります。このツールでは入れていません。
- 養子がいる:基礎控除などの計算で数えられる養子は、実の子がいれば1人、いなければ2人までです。入力する子どもの人数は、この数え方に合わせてください。
- 孫・おい・めいが代わりに相続する:亡くなった子(兄弟姉妹)の分を、その子どもが人数で分けます。亡くなった子が2人以上いて孫の人数がそれぞれ違うときは、このツールは均等にいるとして計算するため、少しずれます。
よくある質問
相続税はいくらからかかる?
遺産(生命保険金の非課税分を引いた後)が基礎控除の「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超えるとかかります。配偶者と子ども2人なら4,800万円、子ども1人だけなら3,600万円が境目です。
配偶者がすべて相続すれば相続税はゼロ?
配偶者の受け取った額が1億6,000万円か法定相続分のどちらか多い方までなら、配偶者の相続税はかかりません。ただし、配偶者が亡くなったときに子どもが払う税金(二次相続)が増えることがあります。このページの「分け方で比べる」で合計を確かめられます。軽減を使うには、税金がゼロでも申告が必要です。
生命保険金にも相続税はかかる?
亡くなった方が保険料を払っていた死亡保険金は相続税の対象ですが、家族(相続人)が受け取る分は「500万円×法定相続人の数」まで非課税です。死亡退職金にも、別に同じ額の非課税があります。相続を放棄した人が受け取った分には、この非課税は使えません。
相続税の申告と納付の期限は?
亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。遺産(小規模宅地等の特例で減らす前)が基礎控除以下なら、申告はいりません。基礎控除を超える場合は、配偶者の軽減や小規模宅地等の特例で税金がゼロになっても、申告が必要です。
相続税がかかる人はどれくらい?
国税庁によると、令和6年に亡くなった方のうち相続税がかかったのは約10.4%(約10人に1人)で、税金がかかった方1人あたりの相続税(家族全体の合計)は約1,946万円でした。都市部で土地を持っている方は、思ったより基礎控除を超えやすいため一度計算しておくと安心です。
土地や家の金額はどう調べる?
土地は国税庁の路線価(道路ごとの1㎡あたりの価格)か、固定資産税評価額に倍率をかけて計算します。建物は固定資産税評価額がそのまま目安です。毎年届く固定資産税の通知書に評価額が載っています。
出典
・国税庁「タックスアンサー No.4152 相続税の計算」 nta.go.jp
・国税庁「タックスアンサー No.4155 相続税の税率」 nta.go.jp
・国税庁「タックスアンサー No.4132 相続人の範囲と法定相続分」 nta.go.jp
・国税庁「タックスアンサー No.4158 配偶者の税額の軽減」 nta.go.jp
・国税庁「タックスアンサー No.4157 相続税額の2割加算」 nta.go.jp
・国税庁「タックスアンサー No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金」 nta.go.jp
・国税庁「タックスアンサー No.4117 相続税の課税対象になる死亡退職金」 nta.go.jp
・国税庁「タックスアンサー No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」 nta.go.jp
・国税庁「タックスアンサー No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)」 nta.go.jp
・国税庁「タックスアンサー No.4205 相続税の申告と納税」 nta.go.jp
・国税庁「相続税の申告のしかた(計算例)」 nta.go.jp
・国税庁「令和6年分 相続税の申告事績の概要」 nta.go.jp
基準:令和8年(2026年)に亡くなった場合 最終確認:2026年11月7日
関連する計算ツール
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- 遺族年金 計算シミュレーション(遺族年金は相続税の対象外。残された家族の生活費の目安に)
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※このシミュレーションの結果は目安です。実際の税額は、財産の評価や分け方、申告の内容で決まります。個別の判断は、税務署・税理士などの専門家にご相談ください。
※計算に入れていないこと:小規模宅地等の特例などの評価の減額、亡くなる前の贈与の加算と相続時精算課税、未成年者控除・障害者控除・相次相続控除・外国税額控除、孫養子や遺言で相続人以外が受け取る場合の2割加算、相続を放棄した人がいる場合の保険金の扱い、半血の兄弟姉妹(父母の一方だけが同じ)の法定相続分、養子の人数の制限の判定(入力どおりに数えます)、祖父母が相続人になる場合、代わりに相続する孫・おい・めいが亡くなった子(兄弟姉妹)ごとに違う人数のときの法定相続分(均等にいるとして計算)、保険金・退職金を誰が受け取ったかによる非課税の分け方(分け方の割合どおりに受け取ったとして計算)、財産の評価そのもの。分け方は3通りの決まった割合だけで、子ども同士は均等に分けた場合です。