老齢年金のしくみ(かんたん解説)
日本の年金は2階建てです。1階は20歳から60歳までの全員が入る国民年金(老齢基礎年金)、2階は会社員・公務員が上乗せで入る厚生年金(老齢厚生年金)です。会社員・公務員は1階と2階の両方、自営業や専業主婦(夫)などは1階だけを受け取ります。
| 老齢基礎年金(1階) | 老齢厚生年金(2階) | |
|---|---|---|
| 対象 | 20〜60歳の全員 | 会社員・公務員だった人 |
| 金額の決まり方 | 入っていた月数で決まる(収入は関係なし) | 入っていた期間と、給料・賞与の平均で決まる |
| 満額(令和8年度) | 年847,300円(月70,608円) | 満額はなし |
国民年金だけの場合の金額の早見表(令和8年度)
| 保険料を納めた期間 | 年額 | 月あたり |
|---|---|---|
| 10年(120月) | 211,825円 | 約17,652円 |
| 20年(240月) | 423,650円 | 約35,304円 |
| 30年(360月) | 635,475円 | 約52,956円 |
| 40年(480月) | 847,300円 | 約70,608円 |
年額は「満額 × 月数 ÷ 480」で、円未満を四捨五入しています。
受け取り始める年齢で、年金額はこう変わる
65歳より早く受け取ると(繰上げ)1か月あたり0.4%、遅く受け取ると(繰下げ)1か月あたり0.7%、金額が変わります。この増減は一生続きます。
| 開始年齢 | 65歳を100%とした金額 | 昭和37年4月1日以前生まれ |
|---|---|---|
| 60歳(繰上げ) | 76.0% | 70.0% |
| 62歳(繰上げ) | 85.6% | 82.0% |
| 64歳(繰上げ) | 95.2% | 94.0% |
| 65歳 | 100.0% | 100.0% |
| 66歳(繰下げ) | 108.4% | 108.4% |
| 68歳(繰下げ) | 125.2% | 125.2% |
| 70歳(繰下げ) | 142.0% | 142.0% |
| 72歳(繰下げ) | 158.8% | 158.8% |
| 75歳(繰下げ) | 184.0% | 184.0% |
繰上げの減り方は、昭和37年4月2日以後生まれが1か月0.4%、それ以前の生まれが1か月0.5%です。
計算のしかた
厚生年金 = 平均の標準報酬額(月給+賞与÷12) × 0.005481 × 厚生年金の加入月数
受け取る額 = (基礎年金 + 厚生年金) × 開始年齢による増減率
※厚生年金は実際には「平均標準報酬額」(賞与込みの月平均)を使います。このツールでは入力した年収と賞与から、月給(上限65万円)と賞与(1回150万円・年2回として計算)をもとに求めています。
たとえば、厚生年金に38年(456月)入り、平均年収が500万円で、65歳から受け取る場合は次のとおりです。基礎年金は847,300円×456÷480=804,935円。厚生年金は500万円÷12(月給と賞与を合わせた月平均)×0.005481×456月=1,041,390円。合計は1,846,325円(月約15.3万円)になります。70歳まで遅らせると、同じ条件で×1.42となり、年2,621,782円(月約21.8万円)です。
ケース別の注意
- 会社員・公務員:公務員も厚生年金に一本化されています。厚生年金に20年以上入り、65歳になったときに自分に生計を維持されている配偶者(65歳未満で、年収850万円未満などの条件があります)や子がいると、「加給年金」が上乗せされます。令和8年度は配偶者で年243,800円で、昭和18年4月2日以後生まれの方には特別加算179,900円が加わり、合計年423,700円です。このツールの金額には含まれません。
- 自営業・フリーランス:受け取れるのは基礎年金だけです。月400円の付加年金や国民年金基金で上乗せできます。
- 専業主婦(夫):配偶者に扶養されていた期間(第3号)は、保険料を払わなくても基礎年金の加入期間に数えられます。厚生年金は、自分が会社員だった期間の分だけです。
- 保険料の免除・猶予があった人:全額免除の期間は、年金額には半分(平成21年4月以降の分)しか反映されません。納付猶予や学生納付特例の期間は、追納(10年以内)しないと年金額に反映されません。このツールは免除・猶予の期間を数えないため、実際より少なめに出ます。
よくある質問
年金は何歳からもらえますか?
原則は65歳からです。希望すれば60〜64歳に早める「繰上げ」、66〜75歳に遅らせる「繰下げ」ができます。生まれた年や性別によっては、65歳より前から厚生年金の一部を受け取れる場合もありますが、このツールには含めていません。
繰下げは何歳まで?どれくらい増えますか?
75歳までできます。1か月遅らせるごとに0.7%増え、75歳まで遅らせると84%増(65歳の1.84倍)です。基礎年金と厚生年金は、別々に繰り下げることもできます。繰り下げて待っている間は加給年金や振替加算は受け取れず、繰り下げても増えません。また、働いて厚生年金が止まった分も増額の対象になりません。加給年金がつく方は、損得が変わります。
繰上げは損ですか?
減った金額は一生続き、いったん請求すると取り消せません。繰上げは、基礎年金と厚生年金を原則としていっしょに請求します。繰上げたあとは、国民年金への任意加入や保険料の追納、事後重症による障害年金の請求ができなくなり、寡婦年金も受け取れなくなります。65歳になるまでは、遺族厚生年金などと老齢年金のどちらか一方しか受け取れない場合もあります。このツールの比較表で、65歳から受け取る場合との累計の逆転年齢も確認できます。
働きながら年金をもらうと減りますか?
厚生年金に入って働くと、老齢厚生年金(報酬比例部分)の月額(加給年金を除く)と、月給・賞与の月平均(総報酬月額相当額)の合計が65万円(令和8年度)を超えた分の半分が、厚生年金から止まります。基礎年金は止まりません。このツールでは反映していません。
国民年金だけだと、いくらもらえますか?
40年間(480月)保険料を納めた満額で、令和8年度は年847,300円(月70,608円)です。納めた月数が少ないと、その分だけ減ります。このツールの「厚生年金だった年数」を0にして、国民年金の年数だけ入れると確認できます。
付加年金とは何ですか?
自営業など国民年金の人が、月400円を上乗せして払うと、「200円×納めた月数」が年金に加わる制度です。たとえば10年(120月)納めると、年24,000円が上乗せされます。国民年金基金に入っている人は付加年金に入れません。
関連する計算ツール
出典
・日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」 nenkin.go.jp
・日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」 nenkin.go.jp
・日本年金機構「報酬比例部分の計算」 nenkin.go.jp
・日本年金機構「年金の繰上げ受給」 nenkin.go.jp
・日本年金機構「年金の繰下げ受給」 nenkin.go.jp
・日本年金機構「在職老齢年金の見直し」 nenkin.go.jp
・日本年金機構「加給年金額と振替加算」 nenkin.go.jp
・日本年金機構「厚生年金保険料額表(標準報酬月額の等級)」 nenkin.go.jp
・日本年金機構「付加保険料」 nenkin.go.jp
基準年度:令和8年度 最終確認:2026年11月6日
※このシミュレーションの結果は目安です。実際の年金額は、日本年金機構が記録している加入履歴で決まります。ねんきん定期便・ねんきんネットや、年金事務所、社会保険労務士・ファイナンシャルプランナーなどの専門家にご相談ください。
※計算で省いていること:免除・猶予の期間、過去の給料を今の水準に直す計算(再評価。このツールでは自動で直しません)、平成15年3月以前の計算式の違い、経過的加算、加給年金・振替加算、65歳前に受け取れる厚生年金の特別支給、在職老齢年金による支給停止、税金・社会保険料(金額は額面です)、将来の物価や賃金による年金額の変化(令和8年度の金額で計算)、共済年金独自の取り扱い、月給65万円・賞与1回150万円を超える部分(年金額の計算に入りません)。