遺族年金のしくみ(かんたん解説)
遺族年金は、家計を支えていた人が亡くなったときに、残された家族が受け取れる国の年金です。次の2つがあり、亡くなった方の働き方で受け取れるものが変わります。
| 遺族基礎年金 | 遺族厚生年金 | |
|---|---|---|
| 対象 | 会社員・自営業どちらも | 会社員・公務員として働いていた人(退職後も条件により対象) |
| 受け取れる人 | 高校卒業前の子どもがいる配偶者、または子ども | 配偶者・子ども など(夫は条件あり) |
| 金額の決まり方 | 子どもの人数で決まる(年収は関係なし) | 亡くなった方の年収と働いた年数で決まる |
遺族基礎年金の金額(令和8年度・年額)
| 家族構成 | 年額 | 月あたり |
|---|---|---|
| 配偶者+子ども1人 | 1,091,100円 | 約9.0万円 |
| 配偶者+子ども2人 | 1,334,900円 | 約11.1万円 |
| 配偶者+子ども3人 | 1,416,200円 | 約11.8万円 |
基本額847,300円+子どもの加算(1人目・2人目は各243,800円、3人目以降は各81,300円)。「子ども」は18歳になった年度の3月まで(障害等級1・2級の子は20歳未満)です。
遺族厚生年金の計算のしかた
亡くなった方が将来もらうはずだった厚生年金(老齢厚生年金のうち、年収に比例する部分)の4分の3です。このページでは次の式で計算しています。
※在職中に亡くなった場合などは、働いた月数が300か月(25年)未満でも300か月として計算します。退職後でも、在職中に初診日がある病気で初診日から5年以内に亡くなった場合や、障害厚生年金(1・2級)を受けていた場合も同じです。それ以外の退職後の死亡は、実際に働いた月数で計算します。
たとえば在職中に亡くなった方の年収が500万円・働いた年数が10年の場合、500万円÷12×5.481÷1000×300か月×3/4=年513,844円(月約4.2万円)になります。
子どもが大きくなったあと(妻の場合)
遺族基礎年金は、いちばん下の子が18歳になった年度の3月で終わります。そのとき妻が40歳以上なら、65歳になるまで中高齢寡婦加算(年635,500円)が遺族厚生年金に上乗せされます。子どもがいない場合も、夫が亡くなったとき妻が40歳以上65歳未満なら受け取れます。ただし夫が退職後に亡くなった場合は、夫の厚生年金の加入期間が20年以上あることが条件です。
夫が受け取る場合の注意
妻が亡くなった場合、夫が遺族厚生年金を受け取れるのは、妻が亡くなったときに夫が55歳以上の場合だけです。さらに受け取り始めは原則60歳からです(遺族基礎年金を受け取っている間は一緒に受け取れます)。夫が55歳未満のときは、遺族厚生年金は子どもが受け取ります。
よくある質問
自営業の夫が亡くなった場合、遺族年金はもらえますか?
高校卒業前の子どもがいれば遺族基礎年金を受け取れます。また、過去に会社員だった期間があり、年金の加入期間が合計25年以上あれば、遺族厚生年金も受け取れます。どちらにも当てはまらない場合でも、条件によって「寡婦年金」(妻が60〜65歳の間)や「死亡一時金」を受け取れることがあります(このページでは計算していません)。
遺族年金はいつまでもらえますか?
遺族基礎年金は、いちばん下の子が18歳になった年度の3月までです。遺族厚生年金は、原則として一生続きます。ただし夫が亡くなったとき30歳未満で子どもがいない妻(または30歳になる前に遺族基礎年金が終わった妻)は、5年間で終わります。再婚した場合も受け取れなくなります。
65歳以降はどうなりますか?
65歳からは自分の老齢年金を受け取るようになり、遺族厚生年金との間で調整が入ります(自分の厚生年金が多いほど、遺族厚生年金は減ります)。人によって大きく変わるため、このページでは65歳になるまでを表示しています。
残された配偶者に収入があってももらえますか?
亡くなった時点で、受け取る人の年収が850万円未満(または所得655.5万円未満)で、生計を同じくしていた(同居など)ことが目安です。パートや会社勤めで働いていても、この範囲なら対象になります。
2028年から制度が変わると聞きました
令和7年の法律改正で、2028年4月から遺族年金の見直しが予定されています。主な内容は、子どもの加算が増えること、子どものいない配偶者の遺族厚生年金が原則5年間(その分、金額は増え、収入が少ない人などは5年後も続く)になること、夫の55歳の条件がなくなることです。女性の5年間化は、2028年度末に40歳未満の人から始まり、段階的に広がります。すでに受け取っている人、60歳以降に配偶者を亡くした人、子どもを育てている間は、5年間化の影響を受けません。このページは現在の制度(令和8年度)で計算しています。
出典
・日本年金機構「年金給付 第二部(遺族年金)」令和8年度版 nenkin.go.jp
・日本年金機構「遺族年金」 nenkin.go.jp
・厚生労働省「遺族年金の見直しについて」 mhlw.go.jp
基準年度:令和8年度(2026年4月分から) 最終確認:2026年11月6日
※このシミュレーションの結果は目安です。実際の金額や受け取れるかどうかは、保険料の納付状況・生計維持の条件などをもとに日本年金機構が決定します。個別の判断は、年金事務所や専門家にご相談ください。
※年収は「年収÷12」を平均標準報酬額として計算しています。標準報酬には上限(月65万円・賞与1回150万円)があるため、年収がおおむね800万円を超える方は実際より多めに表示されることがあります。平成15年3月以前の加入期間、公務員の経過的職域加算、障害のある子ども(20歳未満)は計算に入れていません。