老齢厚生年金のしくみ(かんたん解説)
会社員・公務員だった人は、65歳から国民年金(老齢基礎年金)に上乗せして、老齢厚生年金を受け取れます。老齢厚生年金は、次の3つの合計です。このページでは厚生年金の部分だけを計算します。国民年金も合わせた合計は年金 計算シミュレーションで確認できます。
| 名前 | 中身 |
|---|---|
| 報酬比例部分 | 働いた期間と給料の平均で決まる、厚生年金の本体 |
| 経過的加算 | 20歳前・60歳以後に働いた期間などの分の上乗せ(多くの人は数百円〜数万円) |
| 加給年金 | 厚生年金に20年以上入った人に、年下の配偶者や子がいるときの上乗せ |
2003年3月以前と4月以後で、計算が違う
2003年4月から、賞与(ボーナス)にも保険料がかかるようになり、年金額にも賞与が入るようになりました。その分、かける率が下がっています。
| 期間 | 使う給料 | かける率 |
|---|---|---|
| 2003年3月以前 | 月給だけの平均 | 7.125/1000 |
| 2003年4月以後 | 月給+賞与の平均 | 5.481/1000 |
早見表:2003年4月以後の報酬比例部分(令和8年度)
平均の年収と働いた年数ごとの、報酬比例部分の月あたりの額です(単位:万円、月額は切り捨て)。
| 平均の年収 | 20年 | 30年 | 40年 |
|---|---|---|---|
| 300万円 | 2.7 | 4.1 | 5.4 |
| 400万円 | 3.6 | 5.4 | 7.3 |
| 500万円 | 4.5 | 6.8 | 9.1 |
| 600万円 | 5.4 | 8.2 | 10.9 |
| 700万円 | 6.3 | 9.5 | 12.7 |
年収÷12×5.481/1000×月数で計算しています。月給は65万円(年780万円)が上限で、それを超える分は年金額に入りません(賞与は1回150万円が上限)。
計算のしかた
報酬比例部分(2003年4月以後)= 平均の年収 ÷ 12 × 5.481/1000 × 月数
経過的加算 = 1,766円 × 厚生年金の月数(最大480) − 847,300円 × 20〜60歳の厚生年金の月数 ÷ 480
加給年金(配偶者)= 年423,700円(配偶者が65歳になるまで)
たとえば、1975年生まれで、2003年3月までに6年(72か月・平均の月給28万円)、2003年4月以後に32年(384か月・平均の年収550万円)働く場合は次のとおりです。2003年3月以前の分は280,000円×7.125/1000×72=143,640円。2003年4月以後の分は5,500,000円÷12×5.481/1000×384=964,656円。経過的加算は1,766円×456=805,296円から847,300円×456÷480=804,935円を引いて361円。合計は年1,108,657円(月約9.2万円)です。これに国民年金(老齢基礎年金)が加わります。
ケース別の注意
- 2028年4月以後に65歳になる人(1963年4月2日以後生まれ):法律の改正で、配偶者の加給年金が約1割減ります(2024年度の金額で年408,100円→367,200円。すでに受け取っている人は減りません)。子の加算は、すでに受け取っている人も含めて1人一律の額に増えます(2024年度の金額で281,700円)。このツールでは、令和8年度の水準に置き換えた目安(配偶者 約381,200円、子1人 約292,500円)で計算しています。
- 配偶者も会社員・公務員だった人:配偶者が厚生年金(共済を含む)に20年以上入っていて、65歳より前に自分の老齢厚生年金を受け取る権利ができる場合(1966年4月1日以前生まれの女性の特別支給、繰上げなど)は、その時点で配偶者の加給年金が止まります。働いていて年金が止まっている場合も同じです。配偶者が障害年金を受けている間も止まります。それ以外の人は、配偶者が65歳になるまで受け取れます。
- 65歳を過ぎても会社員として働く人:70歳まで、毎年9月1日の時点で厚生年金に入っていれば、10月分から年金額が増えます(在職定時改定)。一方で、賞与を含む月あたりの給料と、厚生年金(報酬比例部分)の月額の合計が65万円(令和8年度)を超えると、厚生年金の一部が止まります(在職老齢年金)。
- 女性で1962年4月2日〜1966年4月1日生まれの人:厚生年金に1年以上入っていれば、63歳または64歳から報酬比例部分を先に受け取れます(特別支給の老齢厚生年金)。経過的加算と加給年金は65歳からです。
- パート・アルバイトの人:厚生年金に入っていた期間(週20時間以上など、勤め先で加入していた期間)だけを数えます。給料が月8.8万円より少なくても、8.8万円として計算されます。
- 受け取りを遅らせる人:66〜75歳に遅らせると1か月0.7%ずつ増えます。ただし、待っている間は加給年金を受け取れず、遅らせても加給年金は増えません。くわしくは年金 繰り下げ シミュレーションで確認できます。
よくある質問
厚生年金は月いくらもらえますか?
給料と働いた期間しだいです。たとえば2003年4月以後に平均年収500万円で40年働いた場合、報酬比例部分は年1,096,200円(月約9.1万円)です。これに国民年金(満額で月70,608円)が加わります。上の早見表で、年収と年数ごとの目安を確認できます。
厚生年金の計算に使う「平均標準報酬額」とは?
働いていた期間の月給と賞与を、月あたりに平均したものです。月給は月65万円、賞与は1回150万円が上限です(令和8年度。月給の上限は2027年9月から68万円、2028年9月から71万円、2029年9月から75万円に上がる予定です)。昔の給料は、物価や賃金の変化に合わせて今の水準に直してから平均します(再評価)。このツールでは、入力した年収をそのまま使います。
あと1年働くと、年金はいくら増えますか?
2003年4月以後の分は「年収×5.481/1000」が1年あたりの増え方です。年収500万円なら年27,405円(月約2,300円)増えます。60歳以後に働く1年は、厚生年金の月数が480か月(40年)に届くまで、経過的加算でさらに年21,192円ほど増えます。このツールの結果の下に、入力した条件での増え方を表示しています。
加給年金はいつまで、いくらもらえますか?
厚生年金に20年以上入った人が65歳になったとき、生計を同じくする65歳未満の配偶者(年収850万円未満)がいると、配偶者が65歳になるまで年423,700円(令和8年度。特別加算を含む)が上乗せされます。20年に届かないとつかないので、19年の人はあと1年働くかどうかで大きく変わります。
厚生年金の保険料はいくら払っていますか?
月給と賞与の18.3%を、会社と半分ずつ負担しています(本人は9.15%)。毎月の金額は社会保険料 計算シミュレーションで確認できます。
正確な金額はどこで確認できますか?
毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」や、日本年金機構の「ねんきんネット」で、記録にもとづく見込み額を確認できます。50歳以上の人の定期便には、今の給料で60歳まで働いた場合の見込み額が載っています。
出典
・日本年金機構「報酬比例部分」 nenkin.go.jp
・日本年金機構「定額部分」(令和8年4月分からの単価) nenkin.go.jp
・日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」 nenkin.go.jp
・日本年金機構「加給年金額と振替加算」 nenkin.go.jp
・日本年金機構「老齢年金ガイド 令和8年度版」 nenkin.go.jp
・日本年金機構「在職定時改定」 nenkin.go.jp
・日本年金機構「厚生年金保険料額表(令和8年度)」 nenkin.go.jp
・厚生労働省「年金制度改正法の概要」(加給年金・子の加算の見直し) mhlw.go.jp
基準年度:令和8年度 最終確認:2026年11月8日
関連する計算ツール
- 年金 計算シミュレーション(将来の年金額の目安)
- 年金 繰り下げ シミュレーション(受け取りを遅らせたときの増え方)
- 年金 手取り 計算シミュレーション(年金から引かれるお金と手取り)
- 社会保険料 計算シミュレーション(給与から引かれる社会保険料)
- 老後資金 計算シミュレーション(老後の備えの過不足)
- 遺族年金 計算シミュレーション(万一のときの、家族への保障)
- 退職金 税金 計算シミュレーション(退職金の手取り)
※このシミュレーションの結果は目安です。実際の年金額は、日本年金機構が加入記録にもとづいて決めます。個別の判断は、年金事務所や専門家にご相談ください。
※計算で省いていること:昔の給料を今の水準に直す「再評価」(入力した額をそのまま使います)、従前額保障(古い計算式の方が高い場合の保障)、1956年4月1日以前生まれの方の単価、1946年4月1日以前生まれの方の乗率、2003年3月以前の月給の上限・下限の年ごとの違い(62万円・9.8万円で計算)、2016年9月以前の下限(9.8万円)、2027年9月からの月給の上限の引き上げ、賞与が年3回以上の人の上限(年2回として計算)、公務員の職域加算・年金払い退職給付、受給資格期間(国民年金を含めて10年以上ある前提)、振替加算、配偶者が障害年金などを受けているときの加給年金の停止、65歳以後に働いた分が年金額に入る時期(在職定時改定・退職時)、繰上げ・繰下げ、在職老齢年金による支給停止、税金・社会保険料の天引き。2028年4月以後の加給年金の額は、改正法の2024年度の金額を令和8年度の水準に置き換えた目安です。