固定資産税のしくみ(かんたん解説)
固定資産税は、毎年1月1日に土地や建物を持っている人が、市区町村に払う税金です。市街化区域などでは、あわせて都市計画税もかかります。金額は「課税標準額×税率(固定資産税1.4%・都市計画税0.3%)」です。
住宅の土地は税金が軽くなる特例があり、200㎡までの部分は課税標準額が評価額の6分の1になります。新築の建物は、決まった年数だけ固定資産税が半分になります。そのため、減額が終わる年度から税金が上がるのが、家を買った人がよく驚くポイントです。
住宅の土地の特例と、新築の建物の減額
| 区分 | 固定資産税 | 都市計画税 |
|---|---|---|
| 住宅の土地のうち200㎡まで(1戸あたり) | 評価額×1/6 | 評価額×1/3 |
| 住宅の土地のうち200㎡を超える部分 | 評価額×1/3 | 評価額×2/3 |
| 新築の建物(120㎡分まで) | 税額の1/2 | 減額なし |
住宅の土地として扱われるのは、建物の床面積の10倍まで。新築の減額は、一戸建て3年度・マンションなど(3階建て以上の耐火住宅)5年度、長期優良住宅は一戸建て5年度・マンションなど7年度です。2026年4月以降の新築は、住む部分の床面積40㎡以上240㎡以下が条件です(2026年3月までは50㎡以上280㎡以下)。東京23区は、200㎡までの住宅の土地の都市計画税がさらに半分になります。
早見表:新築一戸建ての年税額(土地120㎡・床面積100㎡)
| 土地の評価額 | 建物の評価額 | 減額中 (1〜3年度) | 減額後 |
|---|---|---|---|
| 1,000万円 | 1,000万円 | 13.3 | 20.3 |
| 1,000万円 | 1,500万円 | 18.3 | 28.8 |
| 2,000万円 | 1,000万円 | 16.6 | 23.6 |
| 2,000万円 | 1,500万円 | 21.6 | 32.1 |
| 3,000万円 | 1,000万円 | 20.0 | 27.0 |
| 3,000万円 | 1,500万円 | 25.0 | 35.5 |
単位は万円(固定資産税+都市計画税、東京23区以外・税率1.4%と0.3%)。評価額で入力した場合です。土地の負担調整や建物の評価替え(3年ごとに少しずつ下がる)は入れていません。
計算のしかた
② 建物の課税標準額 = 評価額
③ 固定資産税 =(①+②)× 1.4% − 新築の減額(建物の税額×1/2、120㎡分まで)
④ 都市計画税 =(①+②)× 0.3%
課税標準額は1,000円未満、税額は100円未満を切り捨て
例:2026年5月に新築した一戸建て(土地120㎡・評価額2,000万円、建物の床面積100㎡・評価額1,200万円、東京23区以外)の場合。
- 土地の課税標準額は、固定資産税が2,000万円×1/6=3,333,333円、都市計画税が2,000万円×1/3=6,666,666円です。
- 固定資産税:(3,333,333円+1,200万円)=15,333,000円(1,000円未満切り捨て)×1.4%=214,662円。新築の減額は1,200万円×1.4%×1/2=84,000円(100㎡なので全部が対象)。差し引き130,600円です。
- 都市計画税:(6,666,666円+1,200万円)=18,666,000円×0.3%=55,900円です。
- 2027〜2029年度は合計186,500円、減額が終わる2030年度からは270,500円(84,000円増)です。
ケース別の注意
- 評価額は買った値段より低くなります。土地の評価額は国が公表する地価(公示価格)の7割ほどを目安に決められます。建物は、同じ建物を建て直す費用をもとに決まり、新築でも建築費の5〜6割ほどになることが多いと言われます(「わからない」を選ぶと、土地7割・建物6割で計算します)。都市部の土地は取引価格が公示価格より高いことが多く、新築マンションの販売価格には販売費なども含まれるので、この方法では高めに出やすいです。中古の建物は、売買価格と評価額が大きく違うことがあります。家を建てた翌年の春〜夏に市区町村の担当者が建物を調べ(家屋調査)、評価額が決まります。
- 家を建てる前の土地(更地)は、住宅の土地の特例がないので、200㎡までの土地なら税金が3〜4倍ほど高くなります。1月1日の時点で家が建っていない年度は、更地として課税されます。建物の欄を0にすると更地の目安を計算できます。
- 相続した空き家は、手入れをせず市区町村から「特定空家」「管理不全空家」として勧告を受けると、住宅の土地の特例がなくなり、土地の税金が数倍になります。相続した土地で評価額がわからないときは、相続税の路線価×0.875(路線価は公示価格の8割、評価額は7割が目安のため)が土地の評価額の目安になります。
- 建物の評価額は3年ごと(次は令和9年度)に見直され、古くなるにつれて少しずつ下がります。このツールは同じ評価額のまま計算しています。
- 土地の税金は、地価が上がっても税金が急に上がらないよう、少しずつ上げる調整(負担調整措置)があります。納税通知書の「課税標準額」が評価額×1/6より低い人は、任意の欄に課税標準額を入れると、より正確になります。
- 店舗や事務所を兼ねた家(併用住宅)や賃貸に出している部分は、土地の特例や新築の減額が一部だけになります。このツールは、全部が自分の住まいとして計算しています。
- 耐震・省エネ・バリアフリーの改修をすると、翌年度の建物の固定資産税が減ることがあります(申告が必要)。このツールでは計算していません。
- マンションの床面積は、新築の減額の条件(40㎡以上など)を、専有面積に共用部分の持分を足した面積で判定します。専有面積が少し小さくても対象になることがあります。
よくある質問
固定資産税はいつ、どうやって払いますか?
毎年4〜6月ごろに納税通知書が届き、1年分を4回に分けて(多くの市区町村は4月・7月・12月・翌年2月ごろ、東京23区は6月・9月・12月・翌年2月)払います。1年分をまとめて払うこともできます。口座振替・コンビニ・スマホ決済・クレジットカードなどで払えます。
家を買った年の固定資産税は誰が払いますか?
固定資産税は、その年の1月1日に登記簿上の持ち主になっている人に1年分がかかります。年の途中で家を売り買いした場合は、売主が1年分を払い、買主が日割りで売主に精算するのが一般的です(法律ではなく取引の慣習です)。新築した家は、建てた翌年の1月1日から課税され、通知書は翌年の春〜夏に届きます。
新築して4年目(マンションは6年目)から固定資産税が上がるのはなぜですか?
新築の建物は、固定資産税が一定の期間だけ半分(120㎡分まで)になっており、その期間が終わるからです。上の結果の「年度ごとの税額」で、減額が終わったあとの金額を確かめられます。建物の評価額は3年ごとに少しずつ下がるので、実際の上がり方はこの計算より少し小さくなることがあります。
固定資産税の評価額はどこで確かめられますか?
毎年届く納税通知書についている「課税明細書」の「価格」欄です。手元にない場合は、市区町村の役所(東京23区は都税事務所)で「固定資産評価証明書」を取ると確かめられます。家を買う前なら、売主や不動産会社に前年の課税明細書を見せてもらう方法もあります。
マンションと一戸建てでは、どちらの固定資産税が高いですか?
同じ値段なら、マンションのほうが建物の割合が高く、鉄筋コンクリート造で評価額が下がりにくいため、建物の税金は高くなりがちです。一方、土地は持分が小さいので土地の税金は安くなります。新築の減額はマンションなど(3階建て以上の耐火住宅)が5年度と、一戸建てより長く続きます。
出典
・総務省「固定資産税」 soumu.go.jp
・東京都主税局「住宅用地の特例」「新築住宅に対する固定資産税の減額」 tax.metro.tokyo.lg.jp
・横浜市「固定資産税・都市計画税の計算例」(令和8年度。このツールの計算と一致することを確認) city.yokohama.lg.jp
・川崎市「令和8年度 固定資産税・都市計画税のあらまし」(新築住宅の減額の延長と床面積の要件) city.kawasaki.jp
・千葉市「新築住宅等の減額」(令和13年3月31日までの新築) city.chiba.jp
基準年度:令和8年度 最終確認:2026年11月8日
関連する計算ツール
- 住宅ローン控除 計算シミュレーション(家を買ったときの減税)
- 繰り上げ返済 シミュレーション(住宅ローンの利息を減らす)
- 相続税 計算シミュレーション(家と土地を残すときの税金。評価のしかたは固定資産税と違います)
- 贈与税 計算シミュレーション(生前にもらうお金の税金)
- 手取り 計算シミュレーション(年収からの手取り)
- 老後資金 計算シミュレーション(老後の備えの過不足)
※このシミュレーションの結果は目安です。実際の税額は、市区町村(東京23区は都税事務所)が評価額を決めて計算します。個別の判断は、市区町村の資産税の担当や、税理士・不動産会社などにご相談ください。
※計算で省いていること:「わからない」を選んだときの評価額は、土地を購入価格の7割、建物を建築費の6割とした目安です(実際の評価額は家屋調査などで決まり、大きく違うことがあります)。建物の評価額は毎年同じとし、3年ごとの評価替えで下がる分は入れていません。土地は評価額×1/6(1/3)の本則で計算し、負担調整措置(納税通知書の課税標準額を入れた場合はその額を使います)、東京23区の前年度の1.1倍を超える分の軽減(令和8年度まで)は入れていません。全部が自分の住まい(専用住宅)として計算し、併用住宅・賃貸の部分、床面積の10倍を超える土地や更地の扱い(評価額の70%を上限の目安として計算。負担調整や東京23区の独自の軽減は入れていません)、マンションの共用部分の持分、改修の減額、空き家の特例の解除、災害や生活が苦しい場合の減免は入れていません。免税点(土地30万円・建物20万円、令和9年度から建物30万円)は、この土地・建物だけで判定しています(マンションの土地は敷地全体で判定するため、免税点にならないものとしています)。都市計画税は、その地域にかかるかどうかを入力どおりとしています。